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2015.9.26  NEOPAN 100

私の撮影機材の主力はほとんどデジタルになってしまっているが、今でもときどき銀塩で撮りたくなることがある。特にモノクロでは銀塩粒子による立体感のあるすばらしい味わいを少なからずとも知っている身においては、デジタルのモノクロ現像/レタッチは味気なく綺麗すぎてノッペリとした調子に落胆することが多い。
フィルムに関する環境は今ではお寒いかぎりだが、国内ではフジフィルムが社名も変えずに頑張ってくれていることは感謝の念が絶えない。フィルムメーカーは企業だから利益が出ないと生産を続けられないのは当然だ。だからデジタル時代になっても、撮影目的によっては積極的にフィルムを使うことが必要で貢献だと思う。フィルムメーカーが生産を止めたら銀塩カメラはただの箱になってしまう。
写真のモノクロフィルムネオパンは昔よく400を使っていたが、フジフィルムは昨年400を生産を中止し、残るは100のみとなってしまった。それでも100を続けてくれていることがすごいのだ。しかも価格が安くとてもありがたい。コダックをはじめ外国のものはネオパンの1.5倍以上もする。
やたらと垂れ流しのようにシャッター数を切るデジタル弊害を自分へ戒めるためにも、対象にじっくりと気持ちを込めて撮影する昔ながらのやり方を銀塩で実践することは、写真の原点を見つめ直す行為として必要不可欠だと思っている。